天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず
この言葉を聞くと、『学問のすゝめ』の一文なので、福沢諭吉さんを思い浮かべる人も多いの
ではないでしょうか?
この言葉は、アメリカの独立宣言の文案を書いた、トーマス・ジェファーソンの一文を和訳し
たという説もありますが、ミルトンの『失楽園』の最後の方の一文にもそれに近い言葉が書
かれています。
トーマス・ジェファーソン
We hold these truths to be self-evident, that on all men are created equal on, that
they are endowed by Creator with certain unalienable Rights, that among these are
Life, Liberty, and the pursuit of Happiness.
われわれは、自明の真理として、すべての人は平等に造られ、造物主によって、一定の奪
いがたい天賦の権利を付与され、そのなかに生命・自由、および幸福の追求が含まれるこ
とを信ずる。
ミルトン
Man over men, He made not Lord
神は人の上に人を君主として造り給わず
人間はすべて平等であって、身分の上下・家柄・職業などで差別されるべきではない。
なぜ、人間界を見渡すと、この差が出来てしまうのか?
賢人と愚人との差というのは、学ぶ人と学ばない人に区別され、人は生まれながらにして貴
賎上下の差はないけど、勉強をして、物事を知ることにより、貴人となり富人となり、無学な
る者は貧人となり下人となるのだ。
ということを言わんとしているんだと思います。
ということを考えると、福沢諭吉さんの娘さんの縁談で、「相手が自分の娘と身分が違う」と
言うことで、破談させたことがあるそうなんですが、これっていうのは、こういった考えがあっ
たからなんでしょうか?