STAFF COLUMN daiichi fuのコラム
東海大学海洋科学博物館
静岡市には清水区三保という地区があります。
ここは静岡市が2003年4月に静岡市と清水市が合併、新たに誕生した、静岡市清水区の一地域。
三保区には有名な観光スポットがいくつもあり、最も有名なのが三保半島に位置する「三保の松原」という景勝地。大きくせり出した半島から、駿河湾をはさんで見ることが出来る富士山や、美しい松原をバックに展望できます。
この三保半島には、美しい景色を楽しめる海水浴場としても有名で、夏ともなれば県内外から多くの観光客が訪れます。
先日、この三保海水浴場付近にある、海の博物館「東海大学海洋科学博物館」へ行ってきました。
水族館の名称に東海大学とあるように、この博物館は東海大学海洋学部の付属博物館。海洋生物の研究成果や、海洋科学の専門知識を噛み砕いて分かりやすく展示しています。
こんな風に書くと小難しい研究施設と敬遠されてしまうかもしれませんが、実際はきれいな熱帯魚から珍しい海洋生物の展示をしている水族館。
中でも私のお気に入りは、深さ6m、奥行き幅ともに10m、全面アクリルガラスの巨大な海洋水槽。この水槽内で悠然と泳ぐ魚達を見ているだけで、心は遠い世界にトリップ。見ているだけでもすっかりと癒されてしまいます。
そんな三保の水族館ですが、4月のある日に行ったところ、入り口に「 『深海魚に学ぶ海の環境問題 ―深海魚(ミズウオとラブカ)の解剖―』」なる張り紙が・・・
解剖という言葉に引きつつも、面白そう!と早速、参加の申込みをしてみました。
この水族館には教室くらいの大きさの実習室があり、そこへ通されると、周囲は小学生くらいの子供をつれた親子連ればかり。「そりゃそうか・・・」と心の中でつぶやきつつも、堂々と子供らが囲む(ラブカ)と(ミズウオ)を見てみようと、子供の輪の中に割り込みます。
いました!ラブカです。深海に住む胎生の軟骨魚(サメやエイの仲間)。生きた化石といわれる魚です。
隣にはミズウオが細長い体を机の上に横たえていました。こちらも深海性の魚で、歯が非常に鋭く、目の前に動くものがあると、なんでも飲み込んでしまう非常に気性の荒い魚です。その名の通り、体の大部分が水分との事。海底に沈んでいるゴミなども、大きな口で飲み込んでしまうため、解剖を通して海底の様子を探る事が出来るのだそうです。
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ミズウオ(ヒメ目 ミズウオ科)
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ラブカ(カグラザメ目 ラブカ科)
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写真では見難いですが、ラブカの肝臓が1対2つあります。サメには浮き袋がないため、油分を含む肝臓が浮力を与えていると考えられています。
肝臓のサイズが体長の半分はあり、その大きさにびっくりしました。特徴的な歯と、6対ある鰓裂(普通サメの仲間は5対)から、原始的なサメの特徴を良く残しているらしい。そんな説明を聞きながら、解剖は進みました。
胃袋からはイカの一部が出てきたりして、深海でラブカはイカなどの生物を捕食しているらしいことが分かります。
そうこうしているうちに、隣の机ではミズウオの解剖が始まります。
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ミズウオ の解剖で見るべき箇所は、なんといっても胃袋の中身。細身の体の中には、信じられないくらいの沢山の深海魚や、ゴミが「入って」います。
・写真上部は太刀魚の幼魚。
・左端はえび類と形が崩れて種別が不明の小魚類。
・真ん中はアンコウの仲間?
・そして右端に見えるのが「タバコの袋」と、「コンビニおにぎりの袋」です。
この魚の生息域は、水深945~1400m 位の深海と言われていますから、駿河湾の海底は、コンビニの袋やら、ペットボトルやらでいっぱい。という事です。
興味本位で参加した催しでしたが、なんとも貴重な体験となりました。
静岡市で新生活を送っている方や、一度も見に行ったことが無い方は、足を運んでみると良いかもしれません。
●入場料
大人(高校生以上)¥1,500
小人(4歳以上)¥750
・JR清水駅(東海道本線)→東海大学三保水族館
静岡に来る方へ:地域紹介①
ここは静岡市が2003年4月に静岡市と清水市が合併、新たに誕生した、静岡市清水区の一地域。
三保区には有名な観光スポットがいくつもあり、最も有名なのが三保半島に位置する「三保の松原」という景勝地。大きくせり出した半島から、駿河湾をはさんで見ることが出来る富士山や、美しい松原をバックに展望できます。
この三保半島には、美しい景色を楽しめる海水浴場としても有名で、夏ともなれば県内外から多くの観光客が訪れます。
先日、この三保海水浴場付近にある、海の博物館「東海大学海洋科学博物館」へ行ってきました。
水族館の名称に東海大学とあるように、この博物館は東海大学海洋学部の付属博物館。海洋生物の研究成果や、海洋科学の専門知識を噛み砕いて分かりやすく展示しています。
こんな風に書くと小難しい研究施設と敬遠されてしまうかもしれませんが、実際はきれいな熱帯魚から珍しい海洋生物の展示をしている水族館。
中でも私のお気に入りは、深さ6m、奥行き幅ともに10m、全面アクリルガラスの巨大な海洋水槽。この水槽内で悠然と泳ぐ魚達を見ているだけで、心は遠い世界にトリップ。見ているだけでもすっかりと癒されてしまいます。
そんな三保の水族館ですが、4月のある日に行ったところ、入り口に「 『深海魚に学ぶ海の環境問題 ―深海魚(ミズウオとラブカ)の解剖―』」なる張り紙が・・・
解剖という言葉に引きつつも、面白そう!と早速、参加の申込みをしてみました。
この水族館には教室くらいの大きさの実習室があり、そこへ通されると、周囲は小学生くらいの子供をつれた親子連ればかり。「そりゃそうか・・・」と心の中でつぶやきつつも、堂々と子供らが囲む(ラブカ)と(ミズウオ)を見てみようと、子供の輪の中に割り込みます。
いました!ラブカです。深海に住む胎生の軟骨魚(サメやエイの仲間)。生きた化石といわれる魚です。
隣にはミズウオが細長い体を机の上に横たえていました。こちらも深海性の魚で、歯が非常に鋭く、目の前に動くものがあると、なんでも飲み込んでしまう非常に気性の荒い魚です。その名の通り、体の大部分が水分との事。海底に沈んでいるゴミなども、大きな口で飲み込んでしまうため、解剖を通して海底の様子を探る事が出来るのだそうです。
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ミズウオ(ヒメ目 ミズウオ科)
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ラブカ(カグラザメ目 ラブカ科)
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写真では見難いですが、ラブカの肝臓が1対2つあります。サメには浮き袋がないため、油分を含む肝臓が浮力を与えていると考えられています。
肝臓のサイズが体長の半分はあり、その大きさにびっくりしました。特徴的な歯と、6対ある鰓裂(普通サメの仲間は5対)から、原始的なサメの特徴を良く残しているらしい。そんな説明を聞きながら、解剖は進みました。
胃袋からはイカの一部が出てきたりして、深海でラブカはイカなどの生物を捕食しているらしいことが分かります。
そうこうしているうちに、隣の机ではミズウオの解剖が始まります。
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ミズウオ の解剖で見るべき箇所は、なんといっても胃袋の中身。細身の体の中には、信じられないくらいの沢山の深海魚や、ゴミが「入って」います。
・写真上部は太刀魚の幼魚。
・左端はえび類と形が崩れて種別が不明の小魚類。
・真ん中はアンコウの仲間?
・そして右端に見えるのが「タバコの袋」と、「コンビニおにぎりの袋」です。
この魚の生息域は、水深945~1400m 位の深海と言われていますから、駿河湾の海底は、コンビニの袋やら、ペットボトルやらでいっぱい。という事です。
興味本位で参加した催しでしたが、なんとも貴重な体験となりました。
静岡市で新生活を送っている方や、一度も見に行ったことが無い方は、足を運んでみると良いかもしれません。
●入場料
大人(高校生以上)¥1,500
小人(4歳以上)¥750
・JR清水駅(東海道本線)→東海大学三保水族館
静岡に来る方へ:地域紹介①