不動産のまめ知識

トラブル・クレーム対応シリーズ「漏水のトラブル」

  • 2016.07.30
賃貸物件に起こるトラブルで最も厄介なもののひとつ、「漏水トラブル」。

以下のケースのように、原因が分かり易かったり、建物の構造が単純な場合、比較的容易に漏水を止められる事も有ります。

・浴室、電気温水器等、室内設備の水まわりからの漏水

・バルコニーの排水口や、屋上の排水口がつまり、水たまりが出来ている

・木造や軽量鉄骨の建物で、原因個所から垂直に漏水しているケース

 

しかし、ほとんどの場合は漏水個所の特定から漏水の改善まで、皆様が想像している以上に時間がかかります。

特に鉄筋コンクリート系の建物では、水の侵入経路が非常に複雑になりやすく、一回の施工でピタリと漏水を止めるのは、非常に困難です。

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漏水は建物の老朽化が原因である事がほとんどです。

老朽化した建物では漏水の原因が特定できないほど、多くの要素が絡み合い原因となる事も良くあります。

以下に挙げる、主だった原因を一つ一つつぶしながら、根気よく調査を進めるしかありません。

●漏水(雨漏り)の主な原因。

・バルコニー、外部に面した共用部の廊下(外壁よりも防水塗膜の劣化が進みやすく、漏水の原因となり易い)

・屋根の瓦

・窓のサッシ回り(特に天窓や出窓といった、特殊な形状をした窓の周辺が原因となることが多いです)

・外壁のクラック

・外壁のシーリング部分

これらの個所の劣化具合を確認し、原因と思われるところに水をかけ、漏水すれば補修を行い様子を見る。

再び漏水を起こした場合には再度同じ作業を繰り返しながら、時間をかけてメンテナンスをしていきます。

 

このように漏水は手間、時間、費用が掛かりるうえ、建物内部の骨格を痛める等、躯体の老朽化を早めてしまう非常に厄介なトラブルなんです。

当然、管理会社は速やかにトラブルが解決できるよう、全力で原因個所の特定等に注力しなければいけません。

 

ここでもう一つ、どうしても疎かにしがちな、でも、とても重要な、ポイントがあります。

●解決まで長期化しやすい漏水のトラブルは、入居者さんの感情に最大限の配慮しなければならない、ということです。

・漏水がひどければ他のお部屋に移っていただく、場合によってはホテルを手配させていただき、お部屋から避難していただく。

・漏水の状況確認もかねて、頻繁に連絡を取らせていただき、進捗の報告や今後の予定などをお伝えする。

等々

弊社では、漏水トラブル中、特に入居者様との連絡を密に取っています。

 

漏水トラブルが長期化する事を前提に、入居者様のご不満や不安を和らげる対応を取ること。

防水施工業者や、建設業者をオーナー様が直接手配なさる場合、この点に特に留意してトラブルの対応に当たることが必要です。
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