おすすめ 賃貸の本 「アパート・マンション経営」 本当に儲かるのは、どっち!? 久保川議道 著」
副題に、「入居率99%、500戸を経営するカリスマオーナー直伝」とあります、この本の著者さんは、裸一貫から賃貸経営を始めて、現在は532戸を個人で所有し、99.6%(空室が2戸)という高い入居率を誇っていると、まえがきに紹介されています。
すごいオーナーさんですね。
まず巻頭に「勝てる賃貸経営の極意10カ条」が紹介されているのですが、そこには、著者が全編にわたって貫いてる主張が凝縮されているようです。
1.建設費用は坪40万以下に
2.RC造で外壁はタイル張り
3.家賃は5%安くする
4.駐車場は戸数の1.5~2倍
5.良いものを安く仕入れる
6.土地300坪なら200万の手取り
7.地元の会社を選ぶ
8.他のアパートに負けない
9.20年で借金を返す
10.不安なら家賃保証を項目ごとに説明がついていますが、その内容は本書をご確認ください。
さて本書の内容は、著者からの提言を読者へのQ&Aという形式で綴られています。
いくつか気になったQ&Aを紹介させていただきます。
『先祖代々の土地の正しい活用方法は、賃貸アパマンと平面駐車場では、どっち?』という質問です。
もちろん「賃貸アパマン」ですね。
相続税や固定資産税を考えると、この答えになるでしょう。
日本では、住宅関連しか税制上の優遇措置はありません。
つづいて『アパマン経営のアドバイスをもらうとしたら、税理士や銀行支店長と賃貸経営コンサルタントの、どっち?』という質問。
この答えは面白く「どちらも間違い」です。
アドバイスをもらうなら「アパマン経営の成功者に学べ」と主張しています。
机上の空論より実体験からのアドバイスが勝る、ということです。
つぎは『賃貸建物を建てるとき、オーナーとして知っておくべき大切なことは、建設費用か建物の構造か、どっち?』です。
答えは「どちらも知っておくべき」。
その理由は、賃貸経営にとって建設費用は「仕入」に該当しますので「より安く」が基本。
土地の価格が坪20万円のエリアなら、坪単価40万円以上の建設費はかけないことを目安にする。
建物の構造は、建物の寿命を国が決めていますので、47年と一番長い鉄筋コンクリート造がベスト。
商売の基本は「良いものを安く仕入れる」ですから、長持ちするRC造を中堅ゼネコンに安く建ててもらうことが、他のアパマンとの競争に勝ち残る秘訣、とのことです。
つぎの質問は『築10年で空室が発生したら、家賃を下げるか、維持して乗り切るか、どっち?』です。
著者の答えは「家賃を下げる」でした。
築10年を過ぎると、インターネットの検索でヒットしなくなります。
多くのお客様が「築10年以内」にチェックを入れて探すからです。
なので「築10年の相場より5%安い家賃設定」を基本とすることを勧めています。
そのためには、仕入を安くしておく必要があるのです。
最後は『築20年以降の賃貸経営で正しい対応策は、家賃をさらに下げる、改装して家賃をあげ下げする、のどっち?』です。
著者の答えは「リノベーションして家賃をあげ下げする」。
まだ建物には20年以上の寿命がありますから、家賃の値下げだけが正しい対応ではありません。
このように29の質問を通して、「勝てる不動産経営の極意」を伝授しています。
お勧めの一冊です。